03 - 8月 - 2011

これは吸血鬼のお話である。 相変わらずカバーの説明書きもろくろく読まずに借りてきたので、ぱっと見でゾンビものかと思ったのだが、 厳然たる吸血鬼ものなのであった。 吸血鬼の新機軸に挑んだ作品なのであった。 アラスカにある最果ての町が舞台。 ここには年に一度、30日間全く太陽ののぼらない「極夜」が訪れる。 隣の集落まではおよそ130km。 極夜の間は飛行機も飛ばない。犬ぞりだけが頼りの陸の孤島になる。 なので、住人たちのほとんどは極夜になる前に別の土地に移動する。 600人弱の町の人口は150人ほどに減る。 ジョシュ・ハートネットさん(初対面なのでさん付けにした)演じる主人公は保安官。住人の安全を守るお仕事があるので、当然町に残る。 彼の奥さん(離婚調停中)も保安官だが、よくわかんないけどたぶん勤務地が変わったのだろう。任務を終えて町を出ようとするも空港までの道中事故にあ

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22 - 7月 - 2011

シェルター

横文字にめっぽう弱い私には、ホラーとスリラーの明確な違いが判らない。 あとサスペンスも。 教えて!gooとかYahoo!知恵袋とかをのぞいてみたが、まあやっぱりよくわからなかった。 だから「怖い映画」はなんでも「ホラー映画」と呼ぶことにしているし、これからもそうするのである。 この「シェルター」は多重人格云々とあるから、いわゆるサイコホラーとか言われているジャンルの作品なのかな、と思って観始めた。 が、違った。いや、違わないのかもしれないが。 しいて言うなら「イタコホラー」であった。 女主人公は、精神分析医である。 解離性同一性障害、いわゆる多重人格者の存在を認めておらず、そういった症状を持った犯罪者に対しても 「状酌量の余地なし!」 とばっさばっさと切り捨てている。 そうやってばっさと切り捨てられた犯罪者の一人の死刑がいよいよ執行される、というあたりから話が始まる。

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10 - 5月 - 2011

自宅にて、夫とともに鑑賞。 私の夫は男気溢るるやさ男なので、わたくしの女性らしい趣味にはどうにも理解を示してくれない。 たとえば デートでホラー映画を観ようと誘ったら 「ほかのお友達を誘いなさい」 とお父さん風情でにべもなく断られたり めったにテレビドラマをチェックしない私が「大奥」にはまった時も、ドロドロも最高潮の、ここを見なくてどこを見るというシーンになって隣りで高いびきをかかれたり そのようなことがもう何度も何度もあり、すっかり懲りた私は二人の共有フォルダから「ホラー」と「ドロドロ」と「納豆」を外すに至ったのだった。 それでも、これが同業者のよしみということなのか、気になる俳優に関しては一致することが多い。 ロバート・ダウニーJr.もその一人である。 つまりダウニー見たさにこの一本を選んだのであった。 ダウニーとの出会いは今年に入ってからで、出演作も「シャーロック

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15 - 4月 - 2011

すっかり味を占めた感がある、深夜の映画館でのホラー鑑賞。 大好物である悪魔祓いモノとアンソニー・ホプキンスという、最高の取り合わせにあふれるよだれがどうにも止まらない。 さて出かけるかと思った矢先に降り出した大雨も、あたいを止めることはできないのさ。あふれるよだれを隠すにはおあつらえ向きじゃないか。 女番長気取りでバリバリだぜーとバイク(ラッタッタ)にまたがり、一路大泉へ。 まだ公開3日目ということもあってさすがに貸し切りとまではいかなかったが、予想通りのゆったり感。観客は5~6人ほどであった。 「葬儀屋の息子が、行きがかり上エクソシストを目指すことになっちゃった話」 まるでホラーテイストのコメディ漫画のようだが、ひとことで説明するとそういうことなのである。 葬儀屋稼業から逃げ出したいがために家を出て、奨学金で神学校に通うことにした青年。 成績は優秀であったものの、

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12 - 4月 - 2011

およそ1ヶ月ぶりの観劇であった。 色々なことに基本的に無精で、観劇に関してもそうである。 1ヶ月ぶりというのは特に変わったことでもない。特に自粛していたというわけでもない。 ただ、とにかく電車には乗りたくなかった。 詳しい説明は例によってスペースの都合で割愛いたしますが、とにかく電車に乗りたくない一心でもって、地元でちんまりと過ごしていた1ヶ月だったのである。 そんな中、この公演を薦めてくれたのは、とある知り合いの方であった。 内容に興味をひかれたのはもちろんなのだが、決め手となったのは、その方が長野県の松本市在住であるということかもしれない。 長野→群馬→埼玉→東京といくつもの県境を越えてはるばる観劇に訪れた方のおススメを、ハズレとはいえ都内に住んでいながらあーうー電車がーとか言って無下にしてしまうのはあまりにも人として、また、ハズレとはいえ演劇人としてどうなんだろう、

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05 - 4月 - 2011

映画を映画館で、昼間から、しかも定価で観るという、普段ほとんどしないことの三段重ねをした。 かといって、この作品を選んだことにそれほどのこだわりはなかった。 この日は、夜に夫としゃぶしゃぶを食べに行くという一大イベントがすでに決定していたが昼間の予定が未定で、せっかくなら映画でもという話になったのだが、しゃぶしゃぶ合わせで時間を逆算していくとこの映画以外はアニメと、前作を観てない続編ものくらいしかスケジュールが合わなかったのである。 あ、『英国王のスピーチ』もあった。これは私としてはまんざらではなかったのだけど、夫に却下された。 洋画はアクションとかSFとかハデなやつじゃないとイヤ。字幕読むのしんどい。ということだそうでーす。はいはいわかりましたよ。 「お、これ唐沢くん出てるやつだろ?これにしようぜ」 夫は唐沢寿明のことを「唐沢くん」と呼ぶ。 無論知り合いでもなんでもない

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28 - 3月 - 2011

記念すべきレビューブログ第一回は大好きなホラー映画について書こうと思っていたのだが、なんとなくタイミングが合わず、結局あんまりよく知らないカリスマ俳優の作品レビューになってしまった。 しかし悔やんでも仕方がない。気を取り直していってみよう。 3月3日(ひな祭り)レイトショーにて鑑賞。 なぜレイトショーにしたかというと、チケット代が安いからである。それに尽きる。 安さでいえばレディースデーの方が上なのだが、基本ホラーは自室に閉じこもってひっそり観るのがベストだと思っているので、レディーたちの阿鼻叫喚に包まれながらの観賞は集中を欠く恐れがある。 地元の、昼間はファミリーで賑わっているであろう大型ショッピングセンターの敷地内にある映画館は、夜は面白いほど閑散としていて、ホラーを観るにはうってつけの環境なのだ。 実は1もこの映画館の、同じくレイトショーで観たのだが、観客は私も含め

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25 - 3月 - 2011

世の男性陣から今もなお、圧倒的な支持を受けている松田優作。 殊に演劇に携わる男性が、熱っぽく彼のことを語るときの異様に輝くまなざし。 を、飽きるほど見ているうちに本当に飽きてしまった。 まともに作品を観る前から、いかに彼が天才か、努力家か、数々の伝説をもっているか、あーだこーだとまくしたてられ「へーえ」と気のない返事でもしようものなら 『やっぱりオンナコドモには優作の良さはわからないんだ』 と、失望と優越感がないまぜになったような目で見られるわけだから、食わず嫌いになるのも無理はないのではなかろうか。 どうなんだろうか。ただの偏屈ですか。 そんなわけですっかり観るきっかけを失っていたのだが、10年以上の歳月をかけてコツコツと、私がドン引きしない程度の熱量で松田優作の魅力を説き続けていた夫が、これ観ようぜ、と至極ナチュラルなかんじで差し出してきたのがこの『野獣死すべし』

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