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シェルター

シェルター [DVD]
横文字にめっぽう弱い私には、ホラーとスリラーの明確な違いが判らない。
あとサスペンスも。

教えて!gooとかYahoo!知恵袋とかをのぞいてみたが、まあやっぱりよくわからなかった。

だから「怖い映画」はなんでも「ホラー映画」と呼ぶことにしているし、これからもそうするのである。


この「シェルター」は多重人格云々とあるから、いわゆるサイコホラーとか言われているジャンルの作品なのかな、と思って観始めた。

が、違った。いや、違わないのかもしれないが。

しいて言うなら「イタコホラー」であった。


女主人公は、精神分析医である。
解離性同一性障害、いわゆる多重人格者の存在を認めておらず、そういった症状を持った犯罪者に対しても
「状酌量の余地なし!」
とばっさばっさと切り捨てている。

そうやってばっさと切り捨てられた犯罪者の一人の死刑がいよいよ執行される、というあたりから話が始まる。

もちろん、葛藤はある。
夫が3年前、強盗に殺された過去があったり、それによって神を信じられなくなった幼い娘がいたりもする。

女主人公の父親は同じ精神分析医で、娘のそういったあれやこれやを心配した末、ある患者と引き合わせる。
それが、デヴィッドとかアダムとかウェスとかチャーリーとかいう男であった。

男のオリジナルの人格は、デヴィッドなのかなと見せかけて実はアダムである、と見せかけて実は…といった具合でよくわからないまま話は進む。
とりあえず、のけぞって首がぼきぼきっというと、別人格が現れ、現れた人格たちは行き会った相手に必ず

神を信じるか

と聞くのである。


女主人公が、うさんくせーなこいつと思いながらいろいろ調べていくと、それらの人格たちはいずれも実在した人物で、しかもみんなすでに死んでいて、しかも変死であったという事実が判明する。

さて、男の正体はイタコなのか、それともイタコぶりたい年頃のただの変人なのか。
そしてタイトル「シェルター」の意味とは!?――


――結果から言えば、男はイタコではなくて、イタコぶりっ子でもなくて、シェルターだったのです、という話であった。

といういい加減な説明で終わらせたのにはワケがある。



世の中には、科学で解明できない謎がある
信仰心をなくしたら、えらいことになる

みたいな、お定まりの説教臭さと

女主人公が、家族を守るため、女だてらに奔走する

というお定まりの展開に、なんだかなあと思ってしまったからである。

しかも、ラストシーンまで読めてしまった。
読めなければいいというものでもないんだけど、あまりに読めすぎるのもアレだ。

怪異な現象を取り扱う作品にはほぼ必ず、それに見合った宗教観とか、その土地土地の因習とかが介入してくるものだと思っている。
でもそれらはあくまでバックボーンであってほしい。
あんまり前面に押し出されると、楽しいホラーにはならないような気がする。


そもそも楽しませる気なんかない、と言われればそれまでだが。

でも楽しみたいんだもの。



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