「なんかさ、すっかり小劇場の人になったよね」 2月の公演の時、ロビーにあいさつに出た共演者の顔ぶれを見渡しながら、20年来の友人が私に言った。 芝居の質が変わってきたとかそういうことかな、ひょっとするとめずらしく褒められてんのかな、と期待するも 「だってさ、あの人ともこの人とも共演してるんでしょ、それで今度はあの人とまで。すっかり顔が広くなっちゃって」 知り合いが増えたね、と単にそういう意味らしい。 「コミュ障だって芝居はできるんだもん!」をよすがにやってきたわたくしもいよいよ四十路を迎え、どんな仕事でもモノを言うのは結局交友関係なんだということをいい加減認めざるを得ない今日この頃だ。 私個人の功績ではまったくないので釈然としないが、まあお褒めいただいたのだと捉えておこうと思った。 そんなコミュ障で出不精だけどめっきり知り合いが増えた(当社比)わたくしが久々に観た芝居は、